生活保護法改正案が5月17日に閣議決定されたということだ。
戸籍の問題点について、何年もあれこれと、ぶんたと一緒に語ってきたものだった。
そうしてある時「扶養だよね」と彼女は言って、
その一言は、その根源をパッと照らした。
「扶養義務」は
人々が生活するうえで、「家族が助け合って生きていけたらいいね」という素朴な願いを
国が、義務として強制するもので、
国として、人権保障の観点から個人の最低限の生活保障が義務付けられるべきところを
「家」にその義務を転化し、個人の尊厳を侵害する概念だ。
それは、今現在でも主権在民という民主主義を裏切る概念として、民法その他に散見され、
憲法の基準に合わせて、払拭するべく法改正が望まれるところ、
もちろん!
という感じで、今の政権は、まさにその裏切りを強化する方向に、
この国をもっていこうとしている。
生活保護を受給しようとする人は、ただでさえ、窓口で「親は何してるの?」とか「子どもさんにめんどうみてもらえないの?」とか言う言葉に怯えて、それだけで断念してしまう「水際作戦」が横行しているのだが、それを、実際に資産調査の権限を与えるなど「合法化」しようというのだから。
このことは、単に貧困問題にとどまることなく、
「戸籍」=「家」制度の強化として、
「個人」の生きる権利の侵害として
私たち全ての、生きにくさの強化として
問題視されなければならない。
上程を阻止し、改正案を廃案にしなければならない。