北海道から戻ってきました。私を育て、私が愛したその土地から、私は早く離れたがったものです。「故郷」に行くということ。記憶と時間が引き戻されるということ。と同時にその断絶に心が痛むということ。自分の立ち位置の揺らぎを感じるということ。
とはいえ、子ども達は喜んでいる様子でした。一番残念がっていたのは、新日本海フェリーのプールとトレーニングルームと、卓球がなくなっていたことでした。確か35時間くらいかかっていた船旅が22時間に短縮されていたということに、今回私も驚きました。その高速航行のせいで、オープンデッキ以外に外に出ることもできなくなっていました。時間短縮という効率性が、何がしかの喜びを犠牲にするということの一例のように思われました。
雨のニセコは気球と、神仙沼。カムイ岬は絶景でした。(その朝ペルーの地震が報道されました。友人の安否を気にしながら旅を進めます。)旭山動物園、イサムノグチのモエレ沼公園は、比較的新しい私の知らない名所でした。両方に共通するのは「自然との共生」という考え方でしょうか。土地にまつわるしがらみのなさが、北海道をやはり「内地」と違う場所にしているのだと、あらためて感じました。(友人たちのいるクスコは無事だった様子。20日の朝に弟のパソコンで確認できました。)